西日本には、その土地ならではの文化や歴史を継承している地域が数多くあります。西日本新聞社をはじめ西日本の7新聞社は共同で、エリアの魅力を発信する「ふるさとの光」プロジェクトを展開しています。今回は福岡県宗像市が舞台。「神話に出会う。豊かさに出会う。」をメインテーマに、同市とさまざまな関わりを持つ3人と1組計5人の協力で、おすすめスポットやグルメなど20件を「ふるさとの光」として選びました。
宗像市のふるさとの光一覧
歴史・祈り
神々に出会う。ものがたりに出会う。
- 宗像大社(沖津宮、中津宮、辺津宮)
- 世界遺産を知るガイダンス施設
(国宝8万点の神宝館、海の道むなかた館、大島交流館) - 宗像大社秋季大祭「みあれ祭」「高宮神奈備祭」
- 八所宮
- 織幡神社
- 鎮国寺
- 梅谷寺の千手観音立像
自然・景観
海と山が育んだ、美しさに出会う。
- 唐津街道赤間宿
- 光岡八幡宮の大楠
- 大島(風車展望所、御嶽山展望台からの玄界灘の絶景)
- さつき松原
- 釣川さくらづつみ公園の桜並木
- 四塚連山
食
四季折々の恵みに出会う。
- 地島の椿油
- 宗像の食が集まる「道の駅むなかた」
- “知る人ぞ知る”海の幸
(宗像おきゅうと、とうへい鍋、ノウサバなど) - むなかた地魚茶漬け祭り
- 鶏のすき焼き(鶏すき)
- 老舗酒蔵「伊豆本店」と「勝屋酒造」
玄界灘に面した自然豊かなまち
福岡県北部に位置する宗像市は、玄界灘に面し、三方を山に囲まれた自然豊かなまちです。福岡都市圏からも北九州都市圏からもアクセスしやすい好立地で、ベッドタウンとして発展してきました。
沖ノ島では4世紀後半から約500年間祭祀(さいし)が営まれ、宗像大社は日本神話に登場するなど、古代からの歴史が脈々と受け継がれてきました。2027年に世界遺産の登録から10年となる「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を構成する資産や鎮国寺、織幡(おりはた)神社など多くの神社や仏閣が点在し、パワースポットとしても幅広い世代に人気です。
10月には「宗像大社秋季大祭」が開かれ、初日の「みあれ祭」(写真右)(写真下)では色鮮やかな大漁旗を掲げた100隻以上の漁船団が玄界灘をパレード。2日目は流鏑馬(やぶさめ)の奉納、最終日は舞の奉奏が行われる高宮神奈備祭(たかみやかんなびさい)など、多くの参拝客が訪れます。
八所宮(写真左)(写真上)は、7世紀に夫婦神4組・8柱を祀ったことに由来するといわれる古社です。また、創建した神武天皇が日向国から大和国に東征する途中、祭神が赤い馬に乗って現れ先導したという伝承から、現在の「赤間(あかま)」の地名が生まれたとも伝わります。10月第3土曜日・日曜日の秋季例大祭では、神幸行事と江戸時代からの古式大名行列が、闇夜に行われます。
梅谷寺の千手観音立像(同右)(同下)は、宗像市指定第一号の文化財で、背後の銘文には鎌倉時代後半の正安3(1301)年の作と刻まれています。4月と9月の年2回の法要日にしか開扉されない秘仏で、地元で大切に守られています。
神湊から鐘崎まで約5.5kmにわたって続く「さつき松原」(写真左)(写真上)は、慶長7年(1602年)に黒田長政が防風林として植えたのが始まりとされ、約20万本のクロマツが茂る「日本の白砂青松100選」の景勝地です。
江戸時代に筑前21宿の一つとして栄えた「唐津街道赤間宿」には、白壁や格子窓の家並みが今も残り、宗像大社のご神酒である「沖ノ島」の醸造元である勝屋酒造(同右)(同下)や、出光興産創始者・出光佐三の生家が当時のまま佇んでいます。
またアナゴやイカ、アジ、「皇室献上ワカメ」、「鐘崎天然ふく」といった海産物、「むなかた牛」や「むなかた鶏」などの畜産物は全国にもその名が知られ、特産物を販売する「道の駅むなかた」は人気ランキングの常連となっています。
豊かな食材を生かし、年間を通して「むなかた地魚茶漬け祭り」(写真左(写真上は「いか茶漬け」)が開催されます。また、「鶏のすき焼き」(写真右)(写真下)など当地ならではの食べ方をするメニューも多くあります。
今回は「歴史・祈り」「自然・景観」「食」の三つの観点から、宗像市の「ふるさとの光」を選定しました。西日本新聞紙面やWebサイトでは、これらの「光」について、分かりやすく紹介していきます。
8月に福岡市で記者発表会を開催
8月、福岡市内で「ふるさとの光」発見プロジェクトの記者発表会が開かれました。選定委員はむなかた応援大使も務める北九州市立大准教授のアン・クレシーニさん、道の駅むなかた駅長の中野和久さん、一般社団法人「観光創造DMOむなかた」事務局長の品川恭徳さん、九州産業大3年の大和紡さんと野見山遥さん。選んだポイントを説明し、おすすめスポット、グルメなどを紹介しました。
中野 和久さん
道の駅むなかた 駅長
選定ポイント
選定の基準は「初めて訪れる人にぜひ見てほしい」という視点です。魅力は「歴史」「自然」「食」の大きく三つに分けられるのではないでしょうか。選んだスポットや祭りは、国内はもちろん世界にも誇れると自信を持っています。
おすすめスポット
世界遺産の関連施設や四季ごとに開かれる茶漬け祭り、豊かな海産物などを推薦します。個人的には大島の風車展望所から見える玄界灘が一番で、海の濃淡が素晴らしく、何時間見続けても飽きません。
品川 恭徳さん
観光創造DMOむなかた常任理事・事務局長
選定ポイント
おすすめが多く、候補を絞るのに苦労しました。悩んだ末に「自分が本当に好きなものや場所」を取り上げました。私自身は市外からの移住者ですが、最大の魅力は人だと確信しています。食も歴史も景観も、全て住民の方々が守り受け継いできたものだからです。
おすすめスポット
沖ノ島信仰に支えられた文化や、お酒が好きなので江戸時代から続く二つの酒蔵もおすすめ。なんと言っても引っ越してきたばかりの時に見た、釣川さくらづつみ公園の桜並木には感動しました。何度見ても、最高です。
大和 紡さん
九州産業大 地域共創学部 観光学科3年
選定ポイント
宗像で生まれ、20年過ごしてきました。年末年始には宗像大社で巫女(みこ)のアルバイトをするほど大好きなまちです。だからこそ、住民も知らないような「意外な宗像の魅力」を伝えたいと思って選んでいます。プロジェクトをきっかけに観光客だけでなく地域の人にも良さを再発見してほしいです。
おすすめスポット
宗像おきゅうとなど地域独特の食べ方をするメニューのほか、地島の椿油、江戸や明治の雰囲気を味わえる唐津街道赤間宿です。イチオシは年に2回だけ拝観できる梅谷寺の千手観音立像ですね。見るたびに心が落ち着きます。
野見山 遥さん
九州産業大 地域共創学部 観光学科3年
選定ポイント
大学では大和さんと同じく、観光について学んでいます。福岡県飯塚市出身で、このプロジェクトに参加するまでは宗像のことをあまり知りませんでした。参加者の話を聞きながら「地元愛」の強さに感動しました。初心者目線を大事にしました。
おすすめスポット
海だけでなく雄大な山も広がっているのが宗像の良さだと思います。あまり知られていない鶏すき焼きなどの食文化は面白く、プロジェクトを通じて発信していきたいです。
アン クレシーニさん
北九州市立大 准教授
選定ポイント
宗像市に住んで12年、大好きなまちです。魅力を一つに絞るのは難しく、歴史や文化、自然、人など全体がつながって良さがあると思います。宗像全体のスピリチュアルな文化や歴史を伝えたいと思って選びました。
おすすめスポット
有名な宗像大社や沖ノ島だけでなく、地域に根付く神社仏閣が数多くあります。宗像に暮らすようになって日本人の宗教観や精神文化への理解が深まりました。みあれ祭は心の底から感動するので、多くの人に見てほしいです。